新しい事務所は北浜にある大阪証券取引所ビルの10階です。
慣れ親しんだ西天満を離れるのは少し寂しい気もしましたが、新天地(といっても西天満から歩ける距離。。)で、気持ちも新たに頑張っていこうと思います。
ブログの方も随分長い間休んでいましたが、できる限り更新していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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こんにちは
じわじわと梅雨入りの気配が感じられる季節になってきました。
この時期は暑い日が続くと思うと急に冷え込んだりすることもあるので、
体調を崩しやすい季節です。
つい先日は新型インフルエンザが関西で流行していたこともあり、
免疫力を高めないといけないなぁと感じています。
免疫力を高める方法のひとつに「適度な運動」があげられるようです。
適度な運動といえば、近頃なぎさ監査法人ではスポーツジムが密かな人気。
もともと「ダイエット」なんていう言葉に敏感なメンバーが多い事務所なので、
ひとりがジム通いを始めると、自分も行こうかな~なんて声もちらほら。
運動が必要なのはわかっていても、一人でやっていたらくじけてしまいがち。
でも、みんなでやったら励ましあいながら楽しくできそうだから、
事務所メンバーで仕事帰りにみんなで行こうという意見も出ていました。
でも、本当に事務所メンバーみんなでジム通いなんてしたら、
終わった後に絶対にみんなでご飯を食べに行ってしまって、
効果がでないどころか、かえって太ったなんて結果に終わってしまいそうです(笑)
先週末、公認会計士試験(短答式)が実施されました。 平成18年より実施されている公認会計士試験制度は近年改善がみられています。 今年度の試験においては大幅な改善はされておりませんが、試験の解答にあたり適用する法令等の適用日が、昨年まで該当年の1月1日現在施工のものでしたが、4月1日現在施工のものに変更されました。 (ただし、租税法については従来どうり1月1日現在施工のもの) この変更により、平成21年1月5日に施工された株式振替制度が試験範囲に含まれていました。 今回はこの株式振替制度における株式譲渡に焦点を置いて簡潔に書いてみようと思います。 ■制度内容 旧商法のもとでは株券を発行することが原則でしたが、平成18年5月に新会社法が施工され、株券を発行する必要がなくなり株券不発行が原則となりました(会214条)。 これに伴い、株券の電子化(ペーパーレス化)が進められるようになり、従来の株券保管振替制度は廃止され、株式振替制度により整備されることになりました。 この株式振替制度とは、「社債、株式等の振替に関する法律」により、上場会社の株式等に係る株券等をすべて廃止し、株券の不発行を前提として株主等の権利の管理(発生、移転及び消滅)を、機構及び証券会社等に開設された口座において電子的に行うものです。(参考:証券保管振替機構) この制度により、株券を発行するコストの削減や株券の偽造・盗難等のリスクの回避等が可能となります。 ■株式譲渡 株式振替制度のもとでは、振替株式についての権利の帰属は振替口座簿の記載・記録により定まります(振替法128条1項)。 よって、上場会社の株主は、口座管理機関に口座を開設しておく必要があります。 <株式譲渡の流れ> ① 譲渡人であるAはまず自己の株式を管理するために開設しているa:口座管理機関に振替の申請を行います(振替法132条2項)。 ② 申請を受けた口座管理機構は、順次直近の口座管理機構へ振替の申請を行います。 その都度、口座管理機構ごとに管理され、振替口座の記載・記録が行われます。 (a:口座管理機構→b:口座管理機構、b:口座管理機構→c:口座管理機構) ③ c:口座管理機構より株式振替機構へ振替の申請が行われた旨が通知されます。 ④ ③の通知に基づき、株式振替機構に開設されたcの顧客口座の当該銘柄の株数が減少し、Bが口座を開設しているd:口座管理機構の顧客口座の当該銘柄の株数が増加します。 ⑤ 株式振替機構からの通知に基づき、dに開設されたBの口座の当該銘柄の残高が増加します。 (Bの口座に増加の記載・記録を受けなければ、その効力を生じません(振替法140条、141条)。 <権利行使> ⑥ d:口座管理機構の振替口座への記載・記録は、株式譲渡の効力は生じますが、会社への対抗要件とはなりません。 株式振替機構から株式発行会社への通知がなされて初めて会社に対して権利を行使することが可能となります。 ○総株主通知 :基準日を定めた場合の基準日株主等(振替法151条) ○個別株主通知 :基準日を定めた場合の基準日株主等(振替法154条) ※ 情報提供権 口座管理機構に振替口座を開設している者は、直近の口座管理機構に対して所定の費用を支払うことにより、直近の口座管理機構が備える振替口座簿の自己の口座に記載・記録されている事項を証明する書面の交付または電磁的方法による提供を請求することができます(振替法277条)。 
■売上の推移
中小規模の外食チェーン企業の売上推移としてよく見られるのが以下の様な感じです。


表中のA店が一番古い店で、K店が一番新しい店です。各店の売上は出店した時点が最も大きく、その後は徐々に下落していきます。当然、メニュー構成や味に改良を重ねたりすることで、売上の維持・拡大を図るわけですが、競合店の進出や消費者が飽きてくることなどにより、下げ幅は異なるとしても基本的にこのような傾向になります。そこで、多くの企業が個別店の売上減少を補うべく出店ペースを加速するという戦略をとります。ただし、ブランド力が失われつつある中、出店そのものが目的化してしまうと、店舗立地などの条件が良くないところへ出店することになり(記事によればハイデイ日高さんはこの点に関してもかなり慎重なようです)、上記の様にC店以降は出店時の売上がA店、B店よりも低くなるといった現象が起こります。そして最終的には全体の売上も減少していくことになります。(なお、今回のモデルは一律に売上を減少させていますが、実際には古い店ほど売上があまり落ちない傾向にあるようです。そのような店も出店当初からみれば大きく落ち込んでいることもあるとは思いますが、そもそも好立地にありマーケットがしっかりしているからといった場合がよく見られます。)
■利益の推移
では利益の方はどうでしょうか。多くの場合、以下の様な感じになります。


Y4までは順調に利益を伸ばしていますが、Y5から急激に下落していき、Y7ではついに赤字に陥ります。ここでコスト構造を見てみましょう。今回はコストを変動費と固定費にわけて計算しています。変動費としては、食材費や人件費、固定費としては家賃や水道光熱費、減価償却費などが考えられます。売上減少時には、変動費は減少しますが固定費は変化しないので、利益は加速的に減少していきます。特にもともと出店当初から売上の低い新しい店はすぐに赤字になってしまいます。当然店舗オペレーションを改善したり、家主と家賃交渉するなどコスト削減の取り組みはなされますが、やはり売上が落ちていけば、いずれこのような状況に陥ります。
■キャッシュフローの推移
最後にキャッシュフローを見てみましょう。

出店に必要な投資は借入金で賄われ、次第に借入金が膨らんでいきます。やがて事業からのキャッシュフローが減少していく中で、元利金の返済負担が徐々に重くなり、最終的には資金が底をつく、すなわち倒産ということになります(ただし、ここまですんなりと倒産してしまうことはまれです)。当たり前の話ですが、このような事態を避けるためには、事業からの利益をできる限り維持し、投資額を低く抑えるということが必要になります(借入金の返済を遅らせるというのも一つの手段ではあります)。特にビジネスの特性として、売上が減少していく傾向にある以上、利益確保の観点からは固定費をできる限り低く抑えておくことが肝要です。
久々のエントリです。ちょっと前の話ですが、平成21年4月に「上場有価証券の評価損に関するQ&A」が国税庁から出ていますので、これを中心に少しまとめてみたいと思います。
■税務上の基本的な取扱い
法人の所有する上場有価証券等について、その価額が著しく低下し、簿価を下回ることとなった場合、損金経理を要件として評価損の損金算入が認められます(法33②、法令68①二イ)。ここにいう「価額が著しく低下」というのは、時価が簿価のおおむね50%相当額を下回り、かつ、近い将来その価額の回復が見込まれないことをいいます(法基通9-1-7)。
■回復可能性の判断
株価回復可能性の判断は法人が行いますが、その根拠としては①法人独自の見解、②専門性を有する第三者(証券アナリストなど)の見解いずれかを採用することが可能です。法人独自の見解に基づく場合、当該法人においてその見解に至るまでの合理的な判断基準が必要となります。
会計上、①株価が2年間にわたり簿価の50%以上下落している、②発行会社が債務超過③2期連続赤字の場合、回復可能性があるとはいえないとされている(「金融商品会計に関する実務指針」第91項)ことから、そのような状態でなければ、評価損が損金算入できないと見る向きもあったようですが、Q&Aでは合理的な判断に基づく限りは、そのような状態でなくとも評価損の損金算入は認められるとされています。また、Q&Aでは有価証券の減損処理と、税務上の評価損の違いについても言及しています。まとめると以下のとおりです。

■判断基準について
株価回復可能性の判断において、一定の形式基準を設けこれを判断基準として運用することが考えられます(この場合の基準とは、金融商品会計に基づく減損処理の要否に関する判断基準ではなく、税務上の評価損計上の可否に関する判断基準を指します)。このような場合、当該法人の財務諸表監査が行われていれば、その基準については監査法人等のチェックにより客観性が確保されているものとして、当該基準に基づく判断は税務上合理的と認められます(ただし、継続適用が前提です)。
会社が一定の基準に基づいて評価損の損金算入の可否に関する判断を行っている場合、例えば、設定された基準が不適切であるが故に税務上損金算入できないものが損金算入できるとして処理されれば、本来繰延税金資産を計上すべきところが過少計上となります。従って、監査上は当該基準に関する合理性のチェックを行うことになるという訳です。
要するに監査を受けている会社においては、上場有価証券等の減損処理による評価損はすべて損金算入ということのようです(明らかに合理性を欠く基準の場合は除かれます)。
■事業年度末日後の相場変動
事業年度末日の合理的な判断に基づき評価損を計上している場合、翌事業年度以降に株価が回復したとしても、遡って修正処理する必要はないとされています。ただ、翌事業年度以降に株価が下落しても遡って評価損を計上することはできないとも言えます。
■評価損否認金の取扱い
過年度に計上した税務上認められない評価損(評価損否認金といいます)について、その後の事業年度で税務上損金算入が認められる状態になった場合は、申告調整により損金算入が認められます。ただし、これはあくまで過年度に損金経理したものに限られます。例えば簿価100の有価証券に関し、時価40として60の評価損を有税で計上し、翌期に税務上損金算入可能な状態となった場合、期末時の時価が30であったとしても、前期の時価40との差額10を評価損として損金経理しない限り、損金算入できるのは100-30=70ではなく、前期計上した評価損相当額60となります。
先日の日経新聞に、国際会計基準の改訂に伴い、連結財務諸表におけるのれんの計上方法が変わるという記事が掲載されていましたので、このあたりをもう少しブレイクダウンしてみたいと思います。なお、国際会計基準の改訂により、財務諸表や勘定科目の名称が大幅に変更されていますが、今のところは改訂前の名称の方がわかりやすいということで、本文ではそちらを使用しています。
■のれんって何?
ある会社が他社を支配下に収める(子会社とする)目的でその株式を取得した際、取得に要した対価が当該子会社の純資産(買収時点で時価評価した資産・負債の差額)を上回る場合、その差額は当該子会社の超過収益力に相当する部分と考えられ、会計上はこれをのれんと呼んでいます。企業は貸借対照表に計上されていない資産以外に、ノウハウ、ブランド、顧客網といったいわゆる無形の経営資源(超過収益力)を活用して日々収益をあげています。企業を買収する場合、そうした無形の経営資源も買収対価を構成することになりますから、買収先の財務諸表に計上されている純資産と買収対価が異なることがあるという訳です。
■従来の方法について 下図のとおり、親会社の投資額(子会社株式の取得価額)と子会社の純資産を相殺消去した際に生じる差額は、のれんへ振り替えられます。親会社が子会社株式の100%を取得していない場合、その相殺消去される純資産は親会社の持分に応じた金額となります(購入のれんと呼ばれます。)。例えば親会社持分60%、子会社純資産100であれば、相殺消去されるのは100×60%=60ということです。ここで子会社株式が100であればのれんは100-60=40となります。なお、子会社資本の40%部分に関しては少数株主持分に振り替えられます。

■改訂後の方法について
改訂後の方法においても、親会社の投資と子会社の純資産を相殺消去するという部分は同じですが、親会社が子会社株式の100%を取得していない場合、少数株主持分に対応する部分も含めたいわゆる全部のれんが認識されます。

下図のとおり、子会社株式の公正価値(子会社株式の取得価額)は純資産及びのれんで構成されていると考えられることから、例えば親会社持分60%、子会社株式100であれば、子会社の公正価値は100÷0.6=167であり、この際に子会社純資産100であれば、のれんは167-100=67と算定されます。従来の方法と比較するとのれん、少数株主持分がそれぞれ27増加しています。
■業績への影響
一旦貸借対照表に計上されたのれんは、その後において損益計算書の費用とされます。のれんは毎期減損の要否を判定し、必要に応じて減損損失として取り崩されていきます(なお、日本基準は20年以内に規則的に償却。減損会計も適用)。のれんの金額が大きくなれば、その後の損益計算書に与えるインパクトは大きくなるため、M&Aなどの意思決定に影響を及ぼす可能性があるということです。
連結子会社において計上された利益のうち、少数株主に帰属する部分は少数株主利益として控除されます。これまでは購入のれんしか計上されていなかったため、購入のれんと全部のれんの差額に相当する部分の償却額は少数株主利益に含まれる形で控除されていました。今回の改訂により、連結子会社全体の利益から全部のれんの償却額を控除した後の利益について、持分に応じた少数株主利益を控除することになります。のれんという経営資源の活用により得られた収益に対応させるべきのれん償却費となると、単純に考えれば購入のれんよりも全部のれんが適切です。ただ、そもそもこれまでは、財務諸表の主な利用者として株主、投資家、債権者が想定されていたことで、連結財務諸表に関しては、親会社の利害関係者に対する有用な情報提供の観点から作成されており、その関係で少数株主持分の変動にかかる項目は多少大雑把に処理されていました。改訂後は、財務諸表の目的が「経済的意思決定を行う広範囲の利用者にとって有用な企業の財政状態、業績及びキャッシュフローについての情報を提供することである。また、財務諸表は委託された資源に対するマネジメントの遂行責任の結果を示すものである。」(IAS1号)として財務諸表の利用者をより広い範囲で想定したことで、連結財務諸表の作成についても親会社の利害関係者のみではなく、いわゆる経済単一体説を採用し、のれんの処理も上記のような方法に改訂されているということです。
こんにちは ことのほか長く楽しませてくれた桜の花もすでに散り終えました。 桜の季節になると、きまって出かけたくなる場所があります。 神戸にある岡本南公園です。 「岡本散歩」というコミュニティー雑誌で調べてみました。 ここには、岐阜県御母衣ダム建設で水没する樹齢450年の巨大桜の移植に成功した荘川桜の子供が立派に育っているのです。 水川勉の小説「桜守」の主人公のモデルとされる笹部新太郎は、生涯を桜を愛し、桜に尽くすことに捧げました。 大阪市北区堂島の大地主の二男として生まれた笹部新太郎は、莫大な財産を桜研究と桜保護事業に心血を注ぎ、各地に植樹も行ってきました。大阪造幣局の桜並木の管理指導にもあたりました。 岡本南公園は笹部氏が昭和35年に越して以後、53年に亡くなるまでの年月を過ごした場所です。生前「自分が死んだ後、この後が邪魔になって里桜の妨げになるようならば、家を取り壊しできるだけこの桜(笹部桜)が健康で長生きしやすいようにしてほしい。」 と告げたと伝えられています。 桜の庭は没後、屋敷跡地を神戸市が買い取り岡本南公園(通称:桜守公園)として守られています。 今は残念ながら笹部桜は枯れてしまっていますが、原木から挿し木繁殖した二代目笹部桜など十数種の桜があります。小さな公園ですが春になると美しい桜が道行く人の目を楽しませてくれる素晴らしい場所です。 そして、心づくしのおもてなしもあるんですよ。お花見に集まる人々のために、地元の人達による観桜会が催され、近くの大学生さんがプチお茶会をしてお茶とお菓子を振る舞ってくれたり、その日はとても賑わいます。
■のれん等調整額などの控除(計186Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)
決算書は企業が継続していくことを前提に作成されていますので、剰余金がプラスであるからといっても、会社が倒産した場合に債権者が100%回収できるとは限りません。そこで、明らかに価値の乏しい部分に関しては、分配可能額を制限し会社財産の流出を抑えておく措置がとられます。ここでいう価値の乏しい部分としては、有価証券や土地の含み損のほか、のれん及び繰延資産が含まれます。
この部分は企業会計の制度や考え方により大きく変化することがあり得ることから、会社法ではなく会社計算規則に規定されることで、後の改訂を行いやすくしているようです。
のれんや繰延資産は費用の繰り延べであり資金的な裏付けに乏しいという理由で、一定の範囲を超えた場合には、その超過相当額が分配可能額より控除されることとなります。ただ、のれんに関しては将来の収益により回収可能という考え方もあることから、その1/2相当額を対象としています。このような理解が一般的ですが、以下のような疑問もあります。
【のれんと繰延資産の違いは?】
繰延資産も理論的には将来の効果が及ぶ期間において繰り延べられている以上、収益獲得に貢献している資産であり、そのような意味ではのれんと異なるところがないように見えます。違いと言えばのれんは単独で売却できそうですが、繰延資産はそうではないというところでしょうか。すなわち、最悪の場合でものれんを売却して換価すれば簿価の半分位は残るだろう、ということなのかもしれません(半分以下になるのであれば先に減損処理されている可能性が高いともいえます)。ただし、そのようことは有形固定資産やのれん以外の無形固定資産でもいえそうです。
【繰延税金資産は分配可能?】
会社法の規定に従えば、繰延税金資産は分配可能額に含まれます。繰延資産との比較でいくと、同じ費用の繰り延べであっても税金であれば分配可能というのはあまり納得感がありません。一応会社清算(含倒産)した場合に、繰延税金資産が税金費用を減少させることもあり得ますが、繰延税金資産を単独で売却することはほぼ不可能ですので、のれんよりも不安定感はあります。
ただ、会計監査を受けている会社であれば、監査人が繰延税金資産の回収可能性(将来本当に税金を減少させることができるかどうか?)について厳格にチェックすることになっていますので、(予期できない突然死のような場合は別として)倒産するような会社に対して繰延税金資産が計上されることがほぼないと考えれば、ある程度補完されているとはいえそうです。
具体的な控除額の計算は以下のとおりです(赤い部分が控除額)。

■連結配当規制(計186Ⅳ)
会社法において連結財務諸表の概念が導入(会計監査人設置会社に限る)されていることから、分配可能額について個別>連結という状態であれば、配当を連結の分配可能額の範囲に制限しようというものです。ただし、これは企業側の任意となっています(計算書類に注記することで適用されます)。
連結配当規制会社については、子会社間における親会社株式の取得が自由になること(施23⑫)に加えて、債務超過子会社を組織再編する場合の取締役の説明義務(法795②Ⅰ)が排除されているほか、簡易組織再編も可能(法796③ 、施195Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)となりますので、グループ再編行為の円滑化を図る上でメリットがあるといえます。
(※)参考書籍: 「論点解説 新・会社法」(商事法務) 509頁
4月3日、金融庁は福島銀行に対し、同行の行った「誤配当」により業務改善命令を発動する方針を固めたと報じられました。分配可能額(配当の制限額)の計算は会社法に定められており、その中で有価証券の含み損は分配可能額の計算上控除することとされています。ところが同行では、これを失念していたことから、実質は配当原資がないにもかかわらず配当を行ってしまったとのことです。いわゆるうっかりミスらしいのですが、会社法の規定を見ると結構複雑な構成となっており、ミスが生じるのも解らなくはないという感じです。
そこで、今回は分配可能額の計算について整理してみたいと思います。
会社法では剰余金と分配可能額の概念を分けて定義していますので、以下のような計算となります。
【STEP1】 剰余金の計算(法446)
■期末剰余金の計算
期末時点のその他資本剰余金とその他利益剰余金の合計額が期末剰余金となります。
■期末日後の剰余金の動きの反映
期末剰余金に以下の項目を加減します。
(+)項目:主なもの
期末日後の自己株式の処分益(損失はマイナス)
期末日後の減資・準備金減少による剰余金増加額
期末日後の再編受入行為による純資産増加額(自己株式処分益があれば控除)
(-)項目:主なもの
期末日後の剰余金配当+準備金積立額
期末日後の剰余金減少による資本金、準備金の増加額
期末日後の会社分割による純資産減少額
期末日後の自己株式消却額
【STEP2】 分配可能額の計算(法461②)
■法446条で計算された剰余金に以下の項目を加減算します。
(+)項目:主なもの
臨時決算期間の損益計算書に計上されている純利益
臨時決算期間の自己株式処分益(損失は控除)
期末日後に取得した自己株式の簿価
(-)項目:主なもの
分配時点の自己株式の簿価
300万円-(資本金+準備金+評価換算差額+新株予約権) (マイナスは0)
のれん等調整額
有価証券評価差額、土地再評価差額(いずれも含み損の場合)
連結配当規制
期末日後の再編受入行為による純資産増加額(自己株式処分益があれば控除)
期末日後に自己株式を取得した際に交付した株式以外の財産・負債の価額
結局のところ、期末剰余金から自己株式、資産の含み損を控除して、臨時決算の損益(自己株式処分損益含む)と期末日後の剰余金の動きを反映したものが概ね分配可能額といえます。のれん等調整額や連結配当規制など詳細は次回解説いたします。
いちおう図にもしてみました。
